世界との有機的結合
前回、韓国人の世界への進出の勢いに触れたが、彼らの物怖じしない姿勢に学ぶところは多い。韓国でも産業の空洞化ということは懸念されてはいるが、日本ほど後ろ向きには捉えていないようである。彼らの海外での流儀は「これが韓国流だ」と堂々と主張するということである。全然臆するところがない。やや強引なのでひんしゅくを買っていないわけではないが、最近の日本企業はお行儀が良すぎで、海外でビジネスをやるのにはいかにもという感が否めない。日本人は欧米企業のスマートさの外見だけ見習い、かれらの戦略性や裏面のえげつなさには追随できない。
日本も1980年代までは今の韓国人のようなたくましさをもって海外を歴戦した勇士がいた。今は海外に出てもコンプライアンスをどうするとかに汲々としている。海外で日本国の法令を守るということはほとんど不可能である。こうした制約を課しているから負けてしまうのである。
日本は今もまだかろうじて世界でも有数の技術を多数保有している。こうした日本がなぜ衰退するのか?こんなに円高で世界中が不景気でもまだ日本の貿易は大幅な黒字を維持している。
しかし日本人はますます貧乏になる。このようなことがあっていいはずが無い。どこに日本の稼いだ利益は消えていくのか?確かに日本の株式の3分の1程度はすでに外資のものである。それにしてもである。こうした疑問は多くの日本人は感じているが
真実が見えていない。
大企業は今、雇用を日本人から外国人、特にアジア諸国の人材にどんどん切り替えている。しかしこれらアジア諸国の人材が
今後の日本を切り開くわけではない。確かに3ヶ国語(母国語、英語、日本語)を話しコンピューターを使いこなし、MBAをもっているかもしれない。しかし彼らに最先端を切り開く創造の遺伝子はあるのか?ソフト社会において世の中のニーズを的確に捉えて
新しいものを造りだす創造性というのは高度に発達した社会の空気の中で育ちその遺伝子を受け継いだ者に優位性がある。日本人にはその遺伝子があるという点においてまだ優位性が発揮できる。技術は伝承しないとやがて消えてしまう。団塊の世代が築いた技術の遺伝子はこのままでゆくとあらかたあと5年程度で消滅してしまう。若い世代が持つ創造性と消え行く団塊の世代のマッチングをしなければわが国の優位性は途絶えてしまう。今就職難で困っている若者と消え行こうとしている団塊の世代をマッチングさせて海外で技術の遺伝子を継承できるようなチャンスを与えるような政策も必要であろう。政策的支援があれば海外にはそれを受け入れる場所はたくさんある。海外で日本の底力を発揮すればそれも人生ではないだろうか?日本で悶々としていることはない。世界は広い。


by thinking
アメリカの崩壊と中国の覇権